2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

四月の短歌 「春愁」

毎月、数首、ささやかな歌を詠んでいます。今月は「春愁」という題で五首。 * * * 満開の桜の下は鎮まりて 棺の車土手に沿い行く 光り溜め白き桜は照り映えて 生死のあわいにゆらめきて立つ 亡き人とは同級生と火夫は言い 小箒動かし白き骨寄せる 葉桜に…

白滝ダイエット

チワワの定義らしきものには、体重3キロ以内が理想、とあるのだ。 我が狛犬は、このところ5キロを突破している。 姉が一年ぶりで、我が狛犬に再会した時、 「まぁ、可愛い! コロコロになっちゃって。鼻の周りを黒くすればパグね」 などという暴言を吐いた…

同級生

人生はすべて、慣れなんだろうなぁ、と思う。子供の頃、火葬場はこの世の果ての恐怖の場所だった。 火葬場の煙突が見えるだけで怖かった。 あれが、火葬場の煙突だ、と認識しないように、視界からさりげなく消していた。桜の満開の日に亡くなった人を見送る…

桜の下

桜の木の下には・・、と書いたのは坂口安吾だった気がする。 今週、桜が満開の日に、親しい人が亡くなった。 二年前にも、満開の桜が散り始めて、花吹雪の中で母の葬儀があった。たしかに、満開の桜の、光を吸い込んで膨張するようなあの白は、なにか生命の…

花冷え

九段に用事があったので、その帰りに靖国神社へ寄ってみた。 二分咲きの桜の花の下を、震えて歩いた。 薄着で来たこと、後悔しきり。しかし偶然、靖国神社の境内に、山車が二台、繰出すのに出くわした。 冷え冷えとして、桜もまだだったので、山車の運びは今…